第138章 危険レベルアップ(1)再び狙われる(1更)

二人の抱擁は、ずっと続いていた。

北村忠は左右を見回した。

周りには上野和明が立っており、表情はあまり良くなく、顔を横に向けて、二人を見ようとしなかった。

道明寺華は既に自然と上野和明の側に寄り添っていた。

上野和明の側には日本国から連れてきた部隊の精鋭が二名、冬木空の側にも上野和明の部隊の精鋭が二名おり、全員が静かにその場に立っていた。

北村忠は深く息を吸い込んだ。

悪役は自分しかいないようだ。

咳払いをして、口を開いた。「二人とも、イチャイチャする場所を変えませんか。」

抱き合っていた二人は一瞬止まったようだった。

そして。

冬木空は鈴木知得留を腕から離した。

鈴木知得留は彼の腕から離れた。

冬木空が言った。「ここを離れよう。」

北村忠は頷いた。「そうですよね、恋愛ごとは密室で…」