冬木空は北村忠を連れて洞窟を出て、素早く森の中を移動した。
彼らの意図的な行動は瞬時に死骸組織の注意を引き、一群の者たちが猛然と追跡を開始したが、前回の教訓を活かし、これが囮作戦だと悟って、一部の者たちを周辺の捜索に残した。
道明寺華は鋭い感覚で、誰かが洞窟の入り口に近づいていることを察知できた。
わずか20分ほどの休息を取った上野和明も目を覚まし、武器を準備して作戦を立て始めた。
「何人だ?」上野和明が尋ねた。
「およそ8人です。」
「知得留、奥に下がっていろ。何が起きても出てくるな。これが武器だ。」上野和明は鈴木知得留に渡しながら言った。「誰かが近づいてきたら、躊躇わずに引き金を引け。覚えておけ、これは全て正当防衛だ。」
そう言いながら、上野和明は鈴木知得留に黒い武器を渡した。