空が徐々に明るくなってきた。
死骸組織は近づいてこなかった。おそらく軽率な行動は控えているようだ。
北村忠も冬木空の突然の爆発的な行動に驚かされていた。
やはり、冬木空は並の人間ではない。
絶対に違う。
北村忠も今では疲れ果てていた。岩に寄りかかり、一晩中の緊張で全身が汗でびっしょりだった。
冬木空が彼に触れ、気を引き締めるよう促した。
北村忠は仕方なく再び立ち上がった。
その時。
頭上で突然ヘリコプターの音が響いた。
冬木空と北村忠は一瞬目を合わせた。
死骸組織が近づいてこなかったのは、明らかに援軍を求めていたからだ。
冬木空は眉をひそめた。
ヘリコプターが降りてくる前に、彼らは逃げ出さなければならない。
彼は北村忠に合図を送った。
北村忠は頷き、石を拾って再び外に投げた。