空が徐々に明るくなってきた。
死骸組織は近づいてこなかった。おそらく軽率な行動は控えているようだ。
北村忠も冬木空の突然の爆発的な行動に驚かされていた。
やはり、冬木空は並の人間ではない。
絶対に違う。
北村忠も今では疲れ果てていた。岩に寄りかかり、一晩中の緊張で全身が汗でびっしょりだった。
冬木空が彼に触れ、気を引き締めるよう促した。
北村忠は仕方なく再び立ち上がった。
その時。
頭上で突然ヘリコプターの音が響いた。
冬木空と北村忠は一瞬目を合わせた。
死骸組織が近づいてこなかったのは、明らかに援軍を求めていたからだ。
冬木空は眉をひそめた。
ヘリコプターが降りてくる前に、彼らは逃げ出さなければならない。
彼は北村忠に合図を送った。
北村忠は頷き、石を拾って再び外に投げた。
「バン」と複数の武器の音が同時に響いた。
四方八方から。
冬木空は「別々に行動しよう」と言った。
「冬木空」と北村忠は彼を見つめた。
俺、死ぬかもしれない。
本当に死ぬかもしれない。
冬木空は自分の武器を彼に渡し、「逃げられるなら逃げろ。誰のことも気にするな」と言った。
北村忠はその武器を見つめ、目に涙を浮かべた。「空...」
「泣き顔をするな。俺は死なない!」冬木空は冷たく言った。
北村忠は冬木空を睨みつけた。
せっかくの感動的な雰囲気がこいつのせいで台無しだ。
彼は冬木空が示した手信号を見た。
そして。
二人は大きな岩の後ろから飛び出した。
銃声がさらに増えた。
至る所から。
二人は別々の方向に走り、再び死骸組織の戦力を分散させた。
冬木空は密林の中を駆け抜けていった。
速度は非常に速かった。
死骸組織は追跡に苦労していた。
そして。
目の前に断崖絶壁が現れた。
冬木空は飛び降りた場合の生存率と、後ろの三人と戦った場合の勝算を素早く計算し、即座に後者を選んだ。
素早く木に登った。
死骸組織が到着し、慎重に捜索を始めた。
冬木空は突然木から飛び降り、一人の死骸組織メンバーを押し倒し、即座に転がって相手を自分の上に引き寄せた。
一発の銃弾が死骸の体に命中した。
冬木空は死骸の体を盾にしながら、その武器を使って発砲者を狙い、一発で仕留めた。
もう一人に武器を向けようとした時、弾切れだった。