第146章 無人島を離れて、もう二度と会えないと思った!(4話目)

ジャングルの中。

道明寺華と北村忠は素早く冬木空たちを見つけた。

二つのグループがついに合流した。

合流するなり、北村忠は冬木空の耳元で自分がいかに凄かったかを延々と自慢し始めた……

道明寺華は聞こえないふりをした。

実際、冬木空も聞き流していた。

北村忠がいてくれて良かった。緊張した雰囲気が少し和らいだ。

全員が海岸に戻り、この島から脱出できそうだった。

一行は足早に進んでいた。

北村忠は歩きながら話し続け、息を切らしていた。

でも興奮が収まらなかった。

何と言っても俺は荒波を乗り越えてきた男だ!

そんな高揚感に浸りながら。

突然、上空から再び武器の音が響いた。

なんてこった。

北村忠は思わず叫んだ、「いい加減にしろよ!」

他のメンバーも一瞬凍りついた。

ヘリコプターによる追撃があったことを思い出した。

上野和明が全員に隠れるよう指示しようとした時、突然空を貫く轟音が響き、空中で旋回していたヘリコプターが落下してきた。

一体誰が……

そんなことを考えている余裕もなかった。

その瞬間、全員が極限状態で十二分の警戒をしていたにもかかわらず、避難する時間すらない状況で。

30人の部隊がジャングルから駆け込んできた。

統一された制服を着て、足並みを揃えて彼らに近づいてきた。

全員が警戒を解かなかった。

しかし、もう逃げられないことも分かっていた。

部隊は武器を手に持ち、二列に分かれ、その間から明らかに高位の制服姿の男が現れた。彼は背筋をピンと伸ばし、確かな足取りで歩み寄り、冬木空の前に立ち、「冬木さん、初めまして。私は北洋国最高司令官の斎藤北です。今回は皆様の救助に参りました」

「斎藤司令官、お初にお目にかかります」冬木空は手を差し出し、斎藤北と握手を交わした。

「北洋国でご不安な思いをさせてしまい、申し訳ありません。今すぐにお連れ帰りいたしますので、私たちについてきてください。安全に送り届けます」斎藤康弘は表情を引き締め、日に焼けた顔をしていた。長年の訓練で無骨な印象を与えたが、極めて強い安心感を醸し出していた。

「ありがとうございます」

全員が斎藤北の後に続いた。

海岸には大型の軍艦が停泊しており、その姿は圧巻だった。

北村忠は思わず舌打ちした。