会議室には、鈴木知得留の説明の声だけが響いていた。
「第三部分は、各プロジェクトの予算案についてです。自宅療養中の数日間で、北洋国の今回のプロジェクトの詳細な財務支出表を入手しました。北洋国と日本国の経済水準を大まかに分析し、初期予算を立て、各プロジェクトに必要な資金をすべて列挙しましたが、対外貿易経済や為替レートなどについては専門的な知識がないため、この予算見積もりの完全な正確性は保証できません。そのため、財務部のサポートが必要です。」
自分の専門分野でない以上、外部からの支援が必要なのは当然だった。
「私が personally 財務部から二名の有能な人材を選んで、このプロジェクトを全面的にサポートさせます。」野村松尾は即座に承諾した。
鈴木知得留の今回の報告案に対して、満足感を隠せないほどだった。
田村厚のプロジェクトと比較すると、田村厚は一瞬で完敗し、完全に粉々になった。
田村厚は怒りで体が震えていた。
しかし、耐えるしかなかった。
楠木観月も怒りで震え、耐えるしかなかった。
「野村社長、ありがとうございます。」鈴木知得留は感謝を述べ、さらに続けた。「もう一つ重要な件について、野村社長にご相談させていただきたいことがあります。」
「どうぞ。」
「当初は財閥と企業にこのプロジェクトの企画に参加してもらおうと考えていましたが、研究と学習を重ねた結果、それは不要だと個人的に感じています。以前の会議での結果から、青木さんと高橋会長の前で『人が多ければ力も大きい』と言ったのは、確かに私の考えが甘かったと思います。人が多いことは必ずしも力が大きいということではなく、むしろ時間の無駄になり、考えを統一するのが難しくなることもあります。北洋国での研究会でそれが如実に表れ、皆が自分の意見を述べ合い、コントロールも結論を出すのも困難でした。」
これは、田村厚への直接的な批判となった。なぜなら、田村厚は依然として彼女が以前提案した方案通りに進めており、明らかに実態に即していなかったからだ。