第174章 陰謀(1)黒幕の影

斎藤邸。

斎藤咲子は自分の部屋に戻り、ベッドに横たわった。

村上紀文が苦しんでいることを知って、やっと眠れるようになった。

彼女は目を閉じた。

その瞬間、脳裏に浮かんだのは、村上紀文が写真を手に取り、ぼんやりと加賀千明との写真を見つめている姿だった。

彼女は皮肉な笑みを浮かべた。

やはり、村上紀文にとって、彼女は遊び相手に過ぎなかった。

感情のない関係。

彼女は寝返りを打ち、気にすることはないと思った。

むしろ、村上紀文が自分のことを好きでなかったことに感謝していた。だからこそ、こんなにも徹底的な復讐ができたのだから。

うとうとしながら、斎藤咲子は眠りに落ちた。

昨夜はほとんど眠れず、今日も大量のエネルギーを消費したため、確かに疲れていた。

疲れすぎて、何時まで寝ていたのかもわからなかった。