第175章 陰謀(2)暴かれた真実

冬木グループ総経理室の外。

秘書のそんな大げさな反応に鈴木知得留の顔が赤くなった。

彼女は北村忠をちらりと見た。

北村忠は魅力的な笑顔を浮かべ、「旦那様が特別に私に出迎えを頼まれたんです」と言った。

鈴木知得留は珍しく北村忠と言葉を交わし、道明寺華を連れて冬木空のオフィスに入った。

これが初めて冬木空の領域に足を踏み入れる。

彼も出勤して間もないのだ。

冬木空のオフィスは広いが、とてもシンプルで、彼は複雑なものを好まないようだ。

彼は椅子に座り、鈴木知得留が彼のオフィスに近づいてくるのを見ていた。

「来たね」

鈴木知得留は頷き、直接冬木空の方へ歩いていった。

冬木空は彼女に向かい合わせの椅子に座るよう促した。

鈴木知得留はそこに座った。

道明寺華は鈴木知得留との付き合いで息が合うようになり、おとなしく冬木空のオフィスの片隅のソファに座り、暇つぶしにスマートフォンを取り出してゲームを始めた。