第190章 甘い寄り添い(その3)

鈴木家の全員は、このように病院を後にした。

鈴木山の体は元々大したことはなく、ただ二日間寝ていたため少し衰弱していただけで、この時には少し休養を取り、すでに元通りになっていた。

家に着いた。

数日間このように奔走して、全員疲れていた。

秋山玲奈と鈴木山はそれぞれ自室に戻った。

鈴木知得留と鈴木友道もそうだった。

鈴木知得留は寝室に戻り、この数日間の緊迫した状況で、実際にはもう限界まで疲れていた。

彼女はシャワーを浴び、ベッドに横たわって眠ろうとした。

その時、ふと思い出して、携帯を取り出し、冬木空に電話をかけようとした。

実は、頭の中は冬木空のことでいっぱいだった。

彼の体の怪我のことを考えると...鈴木知得留はどうしても落ち着けなかった。

その瞬間、ベッドから急に起き上がった。

彼女は道明寺華の部屋のドアをノックした。

道明寺華もちょうど眠ろうとしていたようだった。

この二日間、鈴木知得留について回り、普通の人より体力があるとはいえ、不眠不休の徹夜は彼女にとっても大したことではないが、やはり人は休息が必要で、休息が十分でないと、彼女の思考の鋭さも低下してしまう。

彼女はじっと鈴木知得留を見つめた。

「冬木空のところに一緒に行ってくれない?」鈴木知得留は言い、道明寺華の顔に疲れが見える様子を見て、少し申し訳なさそうに付け加えた、「すまないね」

彼女は一人で行動するのが怖かった。

根岸史子の一件があってから、彼女は本当に黒幕が怖くなっていた。

彼女は今や相手がどれほど強大で、どれほど大きな闇の組織を隠しているのか予測できなくなっていた。そして彼女にできる唯一のことは、できる限り自分を守ることだった。

道明寺華は当然二つ返事で頷いた。道明寺華にとって、彼女の責務は常に鈴木知得留の側にいることだった。

二人は帰ってきたばかりなのにまた出かけた。

道明寺華は車を運転して鈴木知得留を冬木空の高級マンションまで送った。

鈴木知得留は玄関の前に立ち、インターホンを押した。

ドアを開けたのは北村忠だった。

北村忠は鈴木知得留と道明寺華を見て、舌打ちをした。

心の中では少し不満があった。