鈴木山の事務所。
高橋透は電話を切ると突然口を開いた。「プロジェクトマネージャーの件は、変更の必要がなくなりました」
鈴木知得留と鈴木山は少し驚き、高橋透をじっと見つめた。
高橋透は言った。「先ほど野村松尾から電話があり、冬木グループが社内の事情により、今回の商業開発区の入札に参加しないという声明を発表したそうです。また、今回の開発区に参加できないことへの遺憾の意も表明されました」
鈴木知得留はかなり驚いていた。
鈴木山も同様だった。
なぜこんなに突然なのか。
開発プロジェクトは、もともと非常に収益性の高い案件だったのに、冬木グループはこんな大きな利権を手放すというのか?!
「つまり、冬木グループが自主的にこのプロジェクトを放棄したので、鈴木知得留は利害関係を避ける必要がなくなったということです」高橋透はこの結果に満足しているようだった。