第194章 上野和明の帰還(3)

鈴木邸、鈴木山の書斎。

鈴木知得留は父親を見つめ、そして上野和明の方を向いた。

鈴木山は言った。「和明を呼び戻したのは、和明に申し訳ないことをした。」

その口調には、深い深い謝意が込められていた。

上野和明は恭しく言った。「おじさん、そんなことありません。私も今年で若くないですし、いつまでも部隊にいられるわけではありません。いずれは戻ってくるつもりでした。高橋おばさんの育ての恩は一生忘れません。今、おじさんの側で力になれることは、私にとって光栄なことです。」

鈴木山は頷いた。「おじさんは君を実の息子のように思っている。これからは必ず精一杯償っていくよ。」

「おじさん、本当に気にしすぎです。私は償いなど必要ありません。すべて私の本心からです。おじさんは罪悪感を持つ必要はありません。」上野和明は真剣に言った。