第194章 上野和明の帰還(3)

鈴木邸、鈴木山の書斎。

鈴木知得留は父親を見つめ、そして上野和明の方を向いた。

鈴木山は言った。「和明を呼び戻したのは、和明に申し訳ないことをした。」

その口調には、深い深い謝意が込められていた。

上野和明は恭しく言った。「おじさん、そんなことありません。私も今年で若くないですし、いつまでも部隊にいられるわけではありません。いずれは戻ってくるつもりでした。高橋おばさんの育ての恩は一生忘れません。今、おじさんの側で力になれることは、私にとって光栄なことです。」

鈴木山は頷いた。「おじさんは君を実の息子のように思っている。これからは必ず精一杯償っていくよ。」

「おじさん、本当に気にしすぎです。私は償いなど必要ありません。すべて私の本心からです。おじさんは罪悪感を持つ必要はありません。」上野和明は真剣に言った。

鈴木山は少し笑った。その瞬間、もう形式的な言葉は止めた。言い過ぎると却って不自然になる。行動で示すべきことがある。

彼は言った。「部隊から急いで戻ってきて、疲れただろう。休んでおいで。部屋は以前と同じところだ。おじさんがずっと空けておいたんだ。」

「ありがとうございます。では、一旦部屋で荷物の整理をさせていただきます。」

「ああ。」

上野和明は非常に恭しく、書斎を出て行った。

鈴木知得留は上野和明の背中を見つめ、そして父親の方を向いた。

鈴木山は彼女を呼んだ。「知得留、ドアを閉めなさい。」

鈴木知得留はドアを閉めた。

そして、鈴木山の机の向かい側の席に座った。

鈴木山は重々しく口を開いた。「お父さんは自分勝手だと思うか?和明をこうして呼び戻してしまって。」

「自分勝手じゃありません。」鈴木知得留は率直に言った。「和明お兄さんが拒まなかった以上、自分勝手とは言えません。お父さんも気に病む必要はありません。実は、こうしなくても、私はお父さんが一人でいることが心配でした。」

「そうだな。」鈴木山は言った。「根岸史子があの日私の耳元で言ったこと、当時は怒りだけだったが、今思い返すと本当に背筋が凍る。私は根岸史子が一体何の目的で、なぜ私の側でこれほど長く隠れていたのか、なぜこんなことをするのか、全く分からない!彼女は、彼女は当時この家に嫁ぐために、蘭香を……」

そう言うと、鈴木山の目が突然赤くなった。