第193章 謎の日常(甘々甘々)(2番目)

冬木空には女友達がいた。

これは火星が地球に衝突するようなことだ。

彼女は信じられなかった。

鈴木知得留は全く信じられない様子で彼を見つめた。

冬木空は言った。「パソコンが得意なんだ」

「女友達がパソコンが得意?」

「うん」

「ゲームが好きなの?」そんな風には見えないけど!

「ゲームじゃなくて、ハッカーだ」冬木空は説明した。

くそっ。

そんな高度な職業を、パソコンが得意とか言うなんて。

「それで?」

「技術者だし、性格もいいから...」冬木空は言った。

「どんな性格?」鈴木知得留は彼の言葉を遮った。

「無口で、笑わなくて、引きこもり気味」

なるほど。

冬木空の目から見れば、自分の性格は最悪なのかもしれない。

「だから友達になったの?」鈴木知得留は尋ねた。

「うん。周りにパソコンが得意な人がいなくて、北村忠が彼女はいい人だと言ったから、付き合うことにした」

「きれいなの?」女性が一番気になるのは、いつもこれだ。

「きれいだよ」冬木空は答えた。

鈴木知得留は疑わしく思った。

技術者で、無口で、笑わなくて、引きこもり気味で、しかもきれい?!

そんな女性は絶滅しているはずでは。

「私はきれい?」鈴木知得留は冬木空に尋ねた。

彼の審美眼を確認しないと。

「うん」冬木空は答えた。

「道明寺華はきれい?」鈴木知得留は更に尋ねた。

「道明寺華は女性として数えるの?」

よし。

少なくとも女性の特徴は判断できるようだ。

「冬木心はきれい?」鈴木知得留は再び尋ねた。

「うん」冬木空は頷いた。

「私と冬木心、どっちがきれい?」鈴木知得留は真剣だった。

「君がきれい」

「冬木心とその女友達、どっちがきれい?」

「女友達」

鈴木知得留は冬木空を睨みつけた。

「君が一番きれい」冬木空は結論付けた。

これは単なるお世辞ではなく、客観的な評価だった。

だから。

冬木空の審美眼は問題ない。

だから、その女友達は本当に醜くない、むしろ、とてもきれいなのだ。

なぜか急に胸が苦しくなった。

彼女は言った。「どうして後で友達じゃなくなったの」

「彼女が私のことを好きだと言ったから」

鈴木知得留は彼を見つめた。

「それ以来、連絡を取っていない」冬木空は率直に言った。