冬木空には女友達がいた。
これは火星が地球に衝突するようなことだ。
彼女は信じられなかった。
鈴木知得留は全く信じられない様子で彼を見つめた。
冬木空は言った。「パソコンが得意なんだ」
「女友達がパソコンが得意?」
「うん」
「ゲームが好きなの?」そんな風には見えないけど!
「ゲームじゃなくて、ハッカーだ」冬木空は説明した。
くそっ。
そんな高度な職業を、パソコンが得意とか言うなんて。
「それで?」
「技術者だし、性格もいいから...」冬木空は言った。
「どんな性格?」鈴木知得留は彼の言葉を遮った。
「無口で、笑わなくて、引きこもり気味」
なるほど。
冬木空の目から見れば、自分の性格は最悪なのかもしれない。
「だから友達になったの?」鈴木知得留は尋ねた。
「うん。周りにパソコンが得意な人がいなくて、北村忠が彼女はいい人だと言ったから、付き合うことにした」