重症監視室。
北村忠は急いで病院に到着した。
キャップを深くかぶっていたため、誰にも気付かれなかった。
彼は直接重症監視室の方へ向かった。
監視室の外には誰もおらず、透明なガラス越しに恐ろしい光景が目に入った。
根岸史子は狂ったように鈴木山の首を絞めており、殺そうとしていた。
やはり。
やはり根岸史子はこんなにも悪い人間だった。
彼は一瞬の躊躇もなく中に飛び込んだ。
根岸史子は重症監視室のドアが大きな音を立てて開いたことにも気付かず、ただ鈴木山を殺して全てを終わらせることだけを考えていた。
しかし、成功したと思った瞬間、突然体を引っ張られた。
力が強く、抵抗できないまま床に投げ出され、重症室の床に激しく叩きつけられた。
その衝撃で全身が痛み、目の前が霞んでしまった。