第199章 盛大な結婚式（5）これからの人生は、全てあなたのもの

東京。

錦のように華やかな東京は、この年のこの日、東から西まで、より一層賑やかになったようだった。

高級な黒塗りの車が50台も連なり、東京の広い通りをゆっくりと進んでいく。まるで自然と、すべての車が道を譲り、その隊列を乱すまいとしているかのようだった。東京には裕福な人は多いが、結婚式でこれほどの規模の車列を組めるのは稀だった。

花嫁を迎えに行く豪華な車列が、堂々と鈴木邸の前に停車した。

邸宅の門前には既に大勢の人が集まっていた。

みな鈴木家の親戚たちだ。

鈴木家は特別大家族というわけではないが、それでも親戚が集まれば5テーブルは埋まるほどの人数になった。

門前では大勢が待機していた。

まるで練習済みであるかのように、車が停まると同時に、すべてのドアが一斉に開き、その様は圧巻だった。

冬木空が先頭の車から降りてきた。

彼は白いスーツを着ていた。

手には白いバラの花束を持っていた。

冬木空は今まで白い服を着たことがなかった。

いつも黒か灰色を好み、控えめで落ち着いた印象を与えていた。

この時のギャップが、さらなる魅力を放っていた。

鈴木家の若い女性たちは思わず歓声を上げた。「新郎様がとてもかっこいい！」

「まるで小説から飛び出してきた御曹司みたい！」

「もう芸能人なんて興味なくなっちゃった。芸能人なんて比べ物にならないわ」

群衆の喧騒の中、至る所で賞賛の声が上がっていた。

冬木空は今日も相変わらずスマートで落ち着いたオールバックの髪型で、彫刻のように整った五官と角張った顔立ちが隠すところなく、その類まれな美貌は圧倒的な存在感を放っていた。

彼は長い脚で鈴木邸の門をくぐった。

かっこよくて。

目の保養になるのは確かだ。

しかし、もらうべきご祝儀は一銭も逃すわけにはいかない。

若い女性たちが門前を遮った。

一人が言った。「そう簡単にお姉さまを連れて行かせるわけにはいきません」

冬木空は微笑んだ。

15、6歳の少女たちは、このような露骨な色気には耐えられなかった。

少女たちの胸がドキドキと高鳴る。

冬木空が長い指を伸ばした。

北村忠は冬木空の後ろについていた。

彼と冬木郷は付添人で、今朝は本当に寝坊してしまった。