M国。
寒々しい細雨が、止むことなく降り続いていた。
元々明るかった街灯が、一つずつ消えていき、最後の一つも強制的に消された。
夜の帳が下りた夜、辺り一面が真っ暗になった。
鈴木知得留は瓦礫の前に立ち、目を真っ赤にして、涙が止めどなく溢れ出た。
冬木空。
お前は強いんじゃなかったのか?
お前は凄いんじゃなかったのか?
今、地下に埋められているのに、這い上がってこいよ!
這い上がってこいよ!
鈴木知得留は涙で視界が曇り、喉が激しく痛んだ。
北村忠が突然言った。「公式の責任者に会って、もう一度話し合ってみる。俺たちは彼らのリソースを使って救助してないのに、なぜ止められなきゃならないんだ!」
諦めたくないという思いが伝わってきた。
全員が分かっていた。一度諦めれば、冬木空は死を待つしかない。