第217章 事故発生(2)緊迫の捜索(2)

商用車がM国の通りを走っていた。

外は大雨が降っていた。

鈴木知得留は胸が締め付けられるような思いで、窓の外から視線を戻し、前の席に座っている秋山静香を見た。

秋山静香の器用な指がノートパソコンのキーボードの上を踊っていた。

突然、指が止まった。

鈴木知得留は冷静を保とうとした。

秋山静香が言った。「見つかりました。冬木空の携帯はアリス御門通り32番地にあります。この住所はちょうど…」

北村忠の表情が少し変わった。「商業ビルの住所だ。」

不思議なことに、突然死のような沈黙が訪れた。

鈴木知得留は口を開き、できるだけ慌てないようにしたが、それでも声は震えていた。「つまり、ビルが爆発した時、冬木空は中にいたということ?」

北村忠は頷いた。

その瞬間、また深い静けさが訪れた。