道明寺華はドアを閉め、リビングに向かった。
北村忠は何事もないかのようにソファに座り、足を組んで、テレビのリモコンを手に取り、気楽にテレビを見始めた。
道明寺華はただ彼を見つめ、睨みつけていた。
北村忠は相変わらず平然としており、「トレーニング終わったばかりだろ?シャワー浴びてきな。ゲームするの待ってるから」と言った。
道明寺華は結局何も言わなかった。
どうせ北村忠は、騒ぎを起こした後で自分から帰るだろうし、彼と争う気もなかった。
彼女は横のバスルームに向かい、北村忠を無視することにした。
北村忠は道明寺華が去るのを見て、ほっと息をついた。
実は道明寺華に追い出されるのが少し怖かった。もし本当に追い出されたら、あの獰猛な華には勝てないだろう。
彼はリモコンを置き、立ち上がって道明寺華の住まいを見て回った。ここは冬木空の家とは違い、一階建てだった。実際、道明寺華一人にとっては少し広すぎるくらいだ。部屋にはたくさんのトレーニング機器があり、専用のエリアが彼女のためのジムとして設計されており、ジムの中は設備が充実していた。
北村忠は何気なくぶら下がっているサンドバッグを殴った。
一発パンチを入れた。
くそっ、痛い。
彼は手をさすりながら、他のトレーニング機器で遊び続けた。
道明寺華のシャワーはとても早かった。
彼女はそれが習慣だった。
以前武道寺にいた頃、師匠は彼らに5分しかシャワーを許さなかった。冬でも夏でも、それは変わらなかった。
彼女がバスローブを着てシャワーを終えて出てきた時、ちょうど北村忠が彼女のトレーニング機器で遊んでいるところだった。
北村忠は道明寺華を見て少し驚き、「もう終わったの?」と言った。
しかも髪まで洗ってきやがった。
これって現実世界の早送りか?!
道明寺華は北村忠を無視した。
彼女は直接自分の部屋に戻り、清潔な部屋着を探した。
適当に一着取り出し、バスローブを脱いだ。
北村忠はジムエリアから出て、道明寺華の部屋の前を通りかかった。
その瞬間、突然大声で叫んだ!
「道明寺華、服を着替えるときドアも閉めないのかよ!」
くそっ!
何を見てしまったんだ!
道明寺華は呆れた。
彼女はドアの方を振り向いた。
北村忠は慌てて彼女の部屋のドアを閉めた。
道明寺華は相変わらず無表情だった。