道明寺華はドアを閉め、リビングに向かった。
北村忠は何事もないかのようにソファに座り、足を組んで、テレビのリモコンを手に取り、気楽にテレビを見始めた。
道明寺華はただ彼を見つめ、睨みつけていた。
北村忠は相変わらず平然としており、「トレーニング終わったばかりだろ?シャワー浴びてきな。ゲームするの待ってるから」と言った。
道明寺華は結局何も言わなかった。
どうせ北村忠は、騒ぎを起こした後で自分から帰るだろうし、彼と争う気もなかった。
彼女は横のバスルームに向かい、北村忠を無視することにした。
北村忠は道明寺華が去るのを見て、ほっと息をついた。
実は道明寺華に追い出されるのが少し怖かった。もし本当に追い出されたら、あの獰猛な華には勝てないだろう。
彼はリモコンを置き、立ち上がって道明寺華の住まいを見て回った。ここは冬木空の家とは違い、一階建てだった。実際、道明寺華一人にとっては少し広すぎるくらいだ。部屋にはたくさんのトレーニング機器があり、専用のエリアが彼女のためのジムとして設計されており、ジムの中は設備が充実していた。