第251章 彼女にはこの男がなぜこんなに嫌われるのか分からない!

北村忠は急いで車を北村系ビルまで走らせた。

報道機関は他の会社とは違い、週末は大半の社員にとって存在しない。多くが交代制で、週末は幹部だけのものだった。

北村忠は特に用事もないので、ちょっと見に来てみることにした。

彼は車を直接駐車場へ向かわせた。

入り口の警備員も彼の車を停めようとはしなかった。北村忠は車を停め、口笛を吹きながら上機嫌そうだった。

彼は会社に向かい、エレベーターで上へ上がり、自分のオフィスへ向かった。

先日、秘書に最近の会社の大小の案件を確認させたが、間違いなければ今日はYILANGの特集をやる日のはずだ。暇なら暇なりに、と考えて、特集部へ向かい、特集の現場に入った。

スタジオの中。

この種の特集インタビューは観客なしで行われ、広々とした舞台の中央には快適なソファが2つ置かれ、ソファの後ろにはYILANGのデザイン展示エリアが並び、シンプルな背景を作り出し、舞台が単調に見えないようにしながら、YILANGの宣伝も兼ねていた。

今、ソファにはYILANGの3人のトップデザイナーが座っており、舞台に最も近い観客席にはスタッフが何人かいた。

北村忠はそのままスタッフの中へ向かった。

全員が北村忠を見て驚き、敬意を込めて彼に挨拶した。

井上明もその中に座っており、北村忠が突然現れたことに驚いていた。この遊び人が、普段から定時に出勤退勤することもないのに、いつから週末に残業なんてするようになったんだ?!

しかし北村忠の立場を考慮して、彼は率先して声をかけた。「来たのか?」

「ちょっと見に来ただけだ」北村忠は淡々と答えた。

井上明もそれ以上は何も言わなかった。

どうせ彼らの関係は良くないし、表面上は何とかやっていけるが、私的にはほとんど共通の話題がなかった。

この時、特集インタビューはまだ続いていた。

北村忠は木村文俊が3人のデザイナーの真ん中に座っているのを見て、明らかに3人のデザイナーの中で最も地位が高いのだろうと思った。

司会者は通常の質問をしていた。

デザイナーたちは一つ一つ答え、自分の経歴や近々発売される新しいデザインのコンセプトについて説明した。

インタビューは成熟しており、スムーズだった。

北村忠は実際少し退屈そうだった。