第278章 道明寺華、これからは二人で生死を共にする兄弟だ(2話)

北村家の方々は冬木邸を後にした。

北村忠が運転し、道明寺華は相変わらず助手席に座っていた。

広橋香織は北村雅の車には乗らなかった。二人の夫婦の関係は...関係とも呼べないものだった。

彼女は自分の息子の車に乗り込んだ。母親として、幼い頃から北村忠とは友達のように接してきたが、たとえ友達でも、はっきりさせるべきことがあると感じていた。

車は幹線道路を走っていた。

北村忠は心が重く、黙って前を見つめていた。

道明寺華はいつも通り寡黙だった。

広橋香織は息子の様子を見て、「どこかに寄りましょう。あなたたちと話があるの」と言った。

「あなたたち」と言ったのであって、「忠」とは言わなかった。

北村忠は頷いた。

彼のことは、幼い頃からのことも含めて、母親に隠し事はしたことがなかった。