第329章 風雲変(2)東京へ急ぐ

鈴木知得留は今日のトップニュースを見て、自分の目を疑った。

昨日まで冬木空と電話で話していたのに、どうして突然心臓病が再発したというのだろう?!

彼女の心臓は激しく鼓動していた。

これが真実だとは信じられなかったが、それでもこのニュースに胸が締め付けられた。

彼女は電話を取り、冬木空に電話をかけた。

電話に出たのは塩川ドクターだった。「私は冬木空の専属医です。冬木空は今、危篤状態です。何かございましたら、まず私にお伝えください。適切なタイミングで伝えさせていただきます。」

「塩川先生、私は鈴木知得留ですが、冬木空の状態はどうなのでしょうか?」

「かなり深刻です。」塩川は言った。「早く戻ってこられれば、最期にお会いできるかもしれません。」

鈴木知得留の顔が真っ青になった。

塩川は言った。「ですから、急いで戻ってきてください。」

鈴木知得留が何か聞こうとした時、電話は切れていた。

鈴木知得留は携帯電話を強く握りしめた。

そんなはずがない?!

彼女は冬木空がこんなに突然亡くなるなんて絶対に信じられなかった。

冬木空のような千年の老怪物が、そう簡単に死ぬはずがない!

一瞬途方に暮れたが、すぐに冷静さを取り戻した。

もし冬木空に何かあったのなら、必ず真っ先に彼女に知らせるはずだ。第三者を通じて伝えることなどありえない。彼が直接連絡してこなかったのは、きっと突発的な出来事で、そして冬木空は、彼女が今君島御門と一緒にいることを知っていて、情報が漏れる可能性を考慮したのだろう。だから彼は、彼女が適切なタイミングで電話をかけてくるのを待っていたのだ。

先ほどの塩川の口調は、とても人が死にそうな状況を説明するような態度ではなかった。

彼女は少し落ち着きを取り戻したものの、完全には安心できなかった。

それに先ほどの塩川は明らかに彼女に戻ってくるように言っていた。これは冬木空が塩川に伝えるように頼んだのかもしれない。

そう考えると、鈴木知得留はもう一刻も無駄にしたくなかった。

彼女は立ち上がって君島御門のオフィスへ向かった。

鳳里道村に来てから、彼らは現地に簡易オフィスを設置した。彼女と君島御門の他にも、地元の政府関係者、商業管理部のスタッフ、現場施工の企業など、政府、商業管理部、企業からなるプロジェクトチームが形成されていた。