第324章 中秋おめでとう(1更)

朝食を済ませた。

鈴木知得留は出勤に向かった。

道明寺華は駐車場で彼女を待っていた。

車は商業管理部へと向かった。

「昨夜、北村忠が私たちの家にいたの」と鈴木知得留は言った。

道明寺華は「ああ」と短く返した。

「彼、酔っていたわ」と鈴木知得留は道明寺華を見つめた。

道明寺華は相変わらず無表情だった。

鈴木知得留は諦めたように言った。「いつ出発するか決まった?」

「まだ決めていない」と道明寺華は答えた。

少し名残惜しかったから。

そして、自分があとどれだけ生きられるかも分からなかった。

鈴木知得留もそれ以上は聞かなかった。

車は商業管理部に到着した。

鈴木知得留は自分のオフィスへと向かった。

ドアを開けた瞬間。

彼女は立ち止まった。

鈴木知得留は左右を見回した。

君島御門が彼女のオフィスのソファに座り、口元に笑みを浮かべていた。