第334章 風雲変(6)無事に東京に到着

「これからは好き勝手に命令を下すのは怖くなるでしょうね」君島御門は明るく笑った。

どうやら本当に気分がよさそうだ。

鈴木知得留は君島御門を見つめた。

彼女は呟いた、「あなたのお兄さん?」

君島御門の笑みが口元から消えた。

彼は言った、「ああ」

「つまり、金田貫一とあなたのお兄さん、政府の長男君島博は密かに付き合いがあったということ」鈴木知得留は率直に言った。

君島御門は鈴木知得留を見つめ、その瞬間肯定も否定もしなかった。

さすがに、鈴木知得留は要点を掴むのが上手い。

鈴木知得留は考え深げに言った、「青木太一の死にも政府の長男が関係しているということ?」

君島御門はただ鈴木知得留を見つめていた。

鈴木知得留も彼を見つめ返し、彼女は言った、「あなたのお兄さんが商業管理部を取り込もうとした目的は何?」

「どう思う?」君島御門は問い返し、もう彼女に隠す必要もないと、「古来より、商業管理部と政府は二つの独立した機関として存在してきた。父は以前から商業管理部を自分のものにしようと考えていたが、なかなか願いを叶えることができなかった。一つには商業管理部は日本国で長い歴史を持ち、独自の勢力を持っている。経済の命脉は全て商業管理部の手中にあり、もし商業管理部が本当に反旗を翻せば、日本国全体の運営が危機に陥る可能性があり、得られるものより失うものの方が大きい。もう一つは、商業管理部は民衆の心の中で常に高い地位を占めており、父が正当な理由なく商業管理部を支配しようとすれば、それは民意に反することになり、民心を失い、さらには彼の統治を脅かす可能性もある。だから、父は常に裏で自分の目的を達成しようとしていた」

「つまりお兄さんはお父さんの意向に従って行動しているということ?」

「そうかもしれないし、そうでないかもしれない。隠すつもりはないが、本当によく分からないんだ」君島御門は言った、「私は政府の三男という身分だが、正統な身分ではないことは知っているだろう。母は父の正妻ではなく、当時大騒ぎになって父は地位を追われそうになった。母は自殺を選び、父は私のことをずっと快く思っていないが、人道的な理由で私を側に置いておいた」

当時、政府の統治者は不倫を暴露され、非難の声の中で謝罪し、過ちを認めた。

最終的に愛人の自殺と正妻の許しにより一件落着となった。