第356章 矛盾激化(8) 大事故発生

斎藤咲子は寒さを感じていた。

震えるほどの寒さだった。

そう、村上紀文はいつも、いつもこうだった。彼が少し変わったと思い、攻撃性が薄れ、彼女に妥協しているのではないかと思った瞬間に、倍返しで反撃してきて、彼女は防ぎようもなかった。

塩川真が彼女を害するはずがない、だから彼女は塩川真が毎日届けてくれる朝食に問題がないと信じていた!そして村上紀文も、会社全体で彼女が信頼しているのは塩川真だけだと知っていたから、塩川真を騙したのだ!彼女は朝食に問題があるなんて全く考えもしなかった。しかも長い間食べ続けていて、何の反応もなかったから、この数日の体調不良も残業のせいだと思い込んでいた。何かを食べたせいだとは考えもせず、まして朝食に問題があるなんて想像もできなかった!

彼女は本当に憎かった。