北村忠は怒りながら、別荘を出て行った。
歩きながら電話をかけた。「写真があるんだが、今夜中に緊急で記事を作ってくれ。トレンドに載せろ。最大のトレンドだ。明日の朝には全国民が知るようにしろ!」
「北村社長、それは無理です。トレンド記事の掲載には社長の承認が必要で、勝手には載せられません」と相手は困った様子で言った。
「私の一存だ。とにかく載せろ。徹底的にやれ!」と北村忠は強く言い放った。
相手は躊躇していた。
「大丈夫だ。後で問題になっても私の責任だ。全て私が引き受ける!」と北村忠は一字一句はっきりと言った。
相手は折れて「はい」と答えた。
北村忠は撮った写真を送信し、さらにテキストも書き添えて、よく編集するように指示した。特に木村文俊を最低な人間として描くように強調した。