東京中央病院。
北村忠は付き添いベッドに横たわり、どうしても眠れなかった。
この頃ずっと病院にいて、特にすることもなく、病室でスマホを触るか息子を見に行くかのどちらかで、道明寺華は彼を全く必要としていなかった。
彼には理解できなかった。女性として、少なくとも女性なのだから、産褥期くらいは少し甘えてもいいのではないか?
せめて彼にも達成感を感じさせてほしかった。
彼は寝返りを打った。
寝つきが悪かった。
今はもう遅い時間で、もうすぐ午前1時になるというのに、北村忠はまだ眠れなかった。
自分が何で不眠なのかもわからなかった。
今日、道明寺華が息子の状態を知ったことで、一日中考え込んでいたからか?
いつからこんなに物思いにふけるようになったのかもわからない。
彼の目が動き、突然隣のベッドで道明寺華が起き上がるのを見た。
北村忠は驚いて飛び起きた。「道明寺華、何をするんだ?」
道明寺華も北村忠がまだ起きていることに少し驚いた様子だった。
彼女は答えた。「トイレに行く。」
「ああ。」北村忠は頷いた。
さっきなぜあんなに緊張したのかもわからない。まるで道明寺華が子供の健康状態を受け入れられず、何か怖いことをするのではないかと心配したかのように。
彼は疲れたようにまたベッドに横たわった。
道明寺華はトイレに入り、便座に座った。
彼女は眠れなかった。
どうしても眠れない。
目を閉じると息子の姿が浮かび、耳には今日の北村忠と冬木心の会話が繰り返し響く。息子に後遺症が残るかもしれない、知能や運動能力に影響が出るかもしれないと。彼女は息子が少し大きくなったら、武術を教えようと思っていたのに。
彼女は実際、息子が何を意味するのかよくわかっていなかった。以前は自分の中に丸い球があって、動く球があるだけだと思っていて、他に深い感情はなかった。でも今は、息子を見ると思わず笑顔になり、思わず心が痛み、抱きしめたくなり、一緒にいたいと強く思うようになっていた……
しかし。
彼らは息子が健康ではないと言う。
彼女の感情が揺れた。
いわゆる後遺症はどれほど深刻なのか?彼女にはわからなかったし、医師にも聞いていない。初めて本当の結果を知るのが怖くなった。
彼女はそのままトイレに座り、天井を見つめて考え込んでいた。
ずっと考え込んでいた。