東京中央病院。
北村忠は付き添いベッドに横たわり、どうしても眠れなかった。
この頃ずっと病院にいて、特にすることもなく、病室でスマホを触るか息子を見に行くかのどちらかで、道明寺華は彼を全く必要としていなかった。
彼には理解できなかった。女性として、少なくとも女性なのだから、産褥期くらいは少し甘えてもいいのではないか?
せめて彼にも達成感を感じさせてほしかった。
彼は寝返りを打った。
寝つきが悪かった。
今はもう遅い時間で、もうすぐ午前1時になるというのに、北村忠はまだ眠れなかった。
自分が何で不眠なのかもわからなかった。
今日、道明寺華が息子の状態を知ったことで、一日中考え込んでいたからか?
いつからこんなに物思いにふけるようになったのかもわからない。
彼の目が動き、突然隣のベッドで道明寺華が起き上がるのを見た。