第396章 法廷（4）鈴木知得留の窮地からの反撃（2番目）

法廷では、緊迫した雰囲気が漂っていた。

一瞬の気まずい沈黙があった。

すぐさま、吉田強は反応した。「異議あり！被告側弁護士は我々を悪意を持って中傷しています！」

「異議を認めます！」裁判長は厳しい表情で言った。「被告側弁護士がこのような無礼な発言を続けるなら、退廷を命じ、本件の弁護を禁じます！」

「裁判長、私の言葉が過激だったことは認めますが、悪意はなかったことをご理解ください。私は事実を述べているだけです。検察側に明らかな偏りがあります。なぜなら：私の依頼人の証拠と証言に矛盾があるにもかかわらず、検察側は一方的に我々の罪を断定しています！楠木観月の犯罪証拠が明白であるにもかかわらず、検察側は彼女の犯罪事実を隠蔽し続けています！たとえ楠木観月の証拠が犯罪事実を証明するには不十分だとしても、彼女に犯罪の疑いがないとは言えません。検察側は公平な立場で起訴すべきであり、私の依頼人に罪を着せるために根拠のない罪名を押し付けるべきではありません！」

藤田文の言葉は的確で、攻撃的だった。

裁判長はすぐには反応しなかった。

検察側もこの時点で自ら弁明しようとはしなかった。

法廷は静まり返った。

まるで突然の気まずい沈黙のように。

君島博が突然自分の席から立ち上がった。

君島博の身分は当然尊い、政府の御曹司で、噂によれば政府統領の相続人だった。彼の突然の起立に、全員の視線が否応なく彼に向けられた。

彼は言った。「藤田弁護士、あなたの弁論は素晴らしい。私は感服します！」

「君島さんのお褒めの言葉、恐縮です。私は依頼人の潔白を証明するためだけに行動しています。もし君島さんを失礼な言葉で傷つけてしまったのであれば、どうかご容赦ください！」謝罪の言葉ではあったが、それほど誠意は感じられなかった。

鈴木知得留はその瞬間、少し感動していた。

このような場で、このように正々堂々と君島博と対峙できる人は珍しい。多くの人は将来のことを考えて遠慮するものだが、藤田文は全くそんな様子がなかった！

君島博は厳しい表情を保ったまま、こう言った。「失礼というほどではありません。法廷はあなたに発言の自由を与えています。あなたの意見を表明することは、私も賛同します。被告側弁護士の私に対する疑問について、我々の立場を明確にさせていただきます！」