夜の部屋の中で、北村忠はじっと道明寺華を見つめていた。
灯りのせいだろうか?
突然、少し幻惑されたような気がした。
道明寺華が綺麗になったように見えた。
彼女の肌が滑らかで繊細に、さらに白くなったように感じた。
見慣れてきたからだろうか?
見慣れてきて、道明寺華も想像していたほど醜くないと思えてきた。
「母さんに言われてそうしているのか?」と彼は尋ねた。
胸の中に何故か寂しさが広がった。
実は予想できたはずだった。道明寺華の知識の世界では、感情はほぼ完全な盲点と言えるほどで、彼も期待することはないはずだった。
そもそも彼は何を期待していたのだろう?!
「あなたともっと仲良くなりたいの」と道明寺華は正直に答えた。
北村忠は一瞬固まった。
心臓が。
跳ねている。
少しずつ、激しくなっていくようだった。