第433章 木村文俊の自滅的なショー(2番目)

翌日の午後。

北村忠は冬木心を俳優のトレーニング基地に付き添った。

明日は本番なので、一週間緊張し続けた全ての俳優たちにリラックスしてもらうため、その方法として衣装合わせを行うことにした。

衣装合わせは彼らにとって本当にワクワクすることだった。

誰もが舞台で美しく見えたいと思うものだ。

北村忠は傍らで冬木心と彼女のチームが全員の衣装合わせをする様子を見守り、修正が必要な箇所を非常に真剣に記録していた。とても熱心そうに見えた。

そして彼はやや物思いに耽っていた。

この人生で、冬木心が彼の前でこんなに落ち着いている姿を見たことがなかった。

以前は彼がいる場所では、この女性は突然憑依されたかのように、彼を強く拒絶していた。

彼はそうやって傍らで大人しく待っていた。

こんなに長い間忙しく過ごして、明日の夜のライブ放送を待つばかりとなった。