第434章 徹夜明け、北村忠はまだ帰ってくるのか?(3番目)

「私は、レインボーカラーを試してみたらどうかと思うわ!」と北村忠は一語一語丁寧に言った。

冬木心は彼を見つめた。

北村忠は言った。「まず7色のラフスケッチを描いてみて。」

冬木心は頷いた。

冬木心は自分の考えに従って、それぞれの色に対して彼女が望むデザインを描いた。

北村忠は言った。「日常的すぎるね。舞台では、もっと華やかで大げさなものが必要だよ。」

冬木心は修正を始めた。

北村忠はさらに言った。「ここはふんわりとしたデザインにすると、より豪華に見えると思うよ。」

冬木心は考えた後、一筆加えた。

最初は少し抵抗があった。

デザイナーは自分の作品が変更されることを本当に嫌うものだから。

しかし、その一筆は本当に神業のような効果をもたらした。

衣装全体の印象が一瞬で変わった。

北村忠はそれほど大したことではないように見えた。彼は冬木心のペンを取り、画用紙に数筆で描き始めた。

彼のペンの使い方や手法から、確かに専門的な教育を受けたことが分かった。

彼の描き方は少し雑だった。おそらく実践経験がないからだろう。北村忠は言った。「こんな感じで、どうデザインするのがいいと思う?」

冬木心は彼のラフスケッチを見て、「こういう感じがいいの?」

「うん、明日の夜の台本を読んだんだけど、対立的な友情を演じるシーンだから、衣装もより大胆な方がいいと思う。」

「大体分かったわ。」冬木心は頷いた。

彼女はようやくインスピレーションを得た。

以前、彼女が考えていた友情は温かく清潔で純粋なものだった。

しかし北村忠の心の中では、それは派手で激しいものだった。

それぞれが友情に対して異なる理解を持っているため、デザインも異なってくる。北村忠のデザインコンセプトは明らかに活力に満ちていた。彼女は目から鱗が落ちるような感覚を覚えた。普段の彼女のデザインは規則に縛られすぎていて、欠点は見つからないし受け入れられるものの、目立たなさが問題だった。

専門的な面では北村忠は彼女に及ばないが、発想の面では、北村忠の思考は多くの人を超えていた。

彼女は北村忠のアイデアに従って、ラフスケッチを何度も修正し続けた。

北村忠は彼女に付き添い、ほとんどの時間は邪魔をせず、時々細部の修正について意見を述べた。

二人は議論を重ね、本当に一晩中作業を続けた。