第447章 広橋香織が北村忠を厳しく叱る(1回目)

車は東京の通りを走っていた。

北村忠は冬木心の表情を見て、急いで尋ねた。「どうしたの?!」

冬木心は木村文俊の電話を突然切った。

北村忠はブレーキを踏んで、車を路肩に停めた。

彼は真剣な表情で「木村文俊は何を言ったんだ」と言った。

冬木心は動揺して、唇を噛みしめたまま一言も発しなかった。

「冬木心!」北村忠の声が大きくなった。

冬木心の唇は噛みすぎて真っ白になっていた。

北村忠は「冬木心、一体何があったんだ?!」と言った。

冬木心は目が真っ赤になり、唇を離して、声を詰まらせながら「木村文俊が、私と彼のベッドシーンの動画があるって...それを公開すると言ってるの...」

「くそっ!」北村忠は拳でハンドルを強く殴った。

冬木心は「本当に木村文俊を殺してやりたい」と言った。

「何か条件を出してきたのか?」北村忠は尋ねた。