北村忠はそのまま北村英を見つめていた。
北村英は異常なほど親しげな様子で、「忠、叔母さんの顔を立てて、従兄弟を助けてあげなさい。安心して、今回のことで従兄弟も反省したわ。これからは二人で北村系を管理すれば、もうこんなことは二度と起こらないわ。従兄弟が執行猶予になって刑務所に行かなくて済めば、あなたの望む条件なら何でも言って!」
「特に条件はありません」と北村忠は口を開いた。
「つまり承諾してくれるのね」
「つまり承諾しないということです」
「北村忠!」北村英は怒りを抑えながら、「結局私たちは親族なのよ。見殺しにするなんてできないでしょう」
「なぜできないんですか?!」
「北村忠!」
「叔母さん、もう私に期待しないでください。私はいつも無神経だと言われますが、誰が私に良くしてくれて、誰が私に悪くしたか、はっきり覚えています。私に悪いことをした人には...本当に同情心なんて一切ないんです。全くないんです!」と北村忠ははっきりと言い切った。