第467章 道明寺華が冬木心に反論する(3)

道明寺華は虎にミルクを飲ませ終わった。

虎は今でも粉ミルクに少し抵抗があるが、なだめすかして、何とか少しは飲めるようになった。

ここ数日、粉ミルクを嫌がって飲まなかったせいで、虎は今週あまり成長していない。医師は、虎のような早産児は特に栄養に気を付け、特にミルクの量に注意が必要で、不足すると発育に深刻な影響を及ぼすと言った。

道明寺華は時間があるたびに虎をなだめてミルクを飲ませ、習慣づけようと努力している。突然母乳が出なくなり、虎の栄養が不足してしまったことを深く後悔している。

彼女は虎を加賀さんに渡した。

加賀さんは虎を抱いてげっぷをさせようとした。

道明寺華は携帯を持って横に移動した。

彼女は冬木心に電話をかけ直した。

「冬木心」

「華、虎はミルクを飲み終わった?」と冬木心が尋ねた。

「うん、今終わったところ。何か用?」と道明寺華は聞いた。

「時間ある?会えないかしら?」

「虎の調子があまり良くないから、離れられないの」と道明寺華は断った。

「じゃあ、電話で話すわ」

「何か用があるなら言って」と道明寺華は率直に言った。

「最近、北村忠に少し問題があって、トラブルに巻き込まれたの。ニュースで見たでしょう」と冬木心は言った。

「見てないわ」と道明寺華は正直に答えた。

この頃は虎のことで頭がいっぱいで、携帯を見る時間もなかった。

「そう?」と冬木心は信じられないような様子だった。

「ええ」

「わかったわ。じゃあ説明するわね」冬木心は落ち着いて話し始めた。「北村忠は最近、あなたとの結婚破棄で全ての責任を自分で背負い込んでしまって、今メディアやネットユーザーから一方的に非難されているの。たくさんの否定的なニュースが出ているわ。その結果、北村忠の仕事に大きな支障が出て、苦労して作り上げた番組『天の堂』も視聴者から boycott されているの。さらに北村系の全てのニュースメディアや動画アプリまでもが boycott され、北村系は現在、北村忠のせいで株価が深刻に下落していて、このまま悪化すれば破産する可能性もあるわ」

冬木心は少し興奮気味に話した。

道明寺華には冬木心がなぜこれらのことを話すのか理解できなかった。

北村忠のことは、もう自分とは関係ない。