第457章 結婚式、ついに期待へ（2更）

北村忠は車を運転して道明寺華を彼女の以前住んでいた場所、冬木空の建物の下まで送った。

北村忠は夜に冬木空と一緒に飲みに行って、彼の独身生活の終わりを祝おうと考えていた。

そう考えていると、突然電話が鳴った。

北村忠は着信を確認し、ゆっくりと電話に出た。「もしもし。」

「北村忠、会社にいないのか？どこにいる？」向こうから井上明の声が聞こえた。

北村忠は少し苛立ちながら、「俺がどこにいるか、お前に報告する必要があるのか？」

「会いに行く。」

「暇じゃない。」

「北村忠！」

「電話に出たのは、もう俺に会いに来るなと言うためだ。お前のために法廷に立つことは絶対にない！」北村忠は一字一句はっきりと言った。

そう言って電話を切ろうとした。

井上明は激しく脅した。「北村忠、今夜『天の堂』のスタジオにいるだろう。俺はスタジオで待っている。もし会わなければ、何か過激なことをしても文句は言えないぞ！」

相手は一方的に電話を切った。

北村忠の表情が曇った。

この瞬間、本当に脅されたと感じた。

どうあれ、井上明は北村系でもこれだけ長く仕事を取り仕切ってきた。もし本当にスタジオで騒ぎを起こしたら、自分がいなければ、状況を制御するのは難しいだろう。

彼は歯を食いしばって、道明寺華に言った。「後で送って行ったら、すぐに行かなければならない。何かあったら、母さんに電話してくれ。」

「うん。」道明寺華は頷いた。

北村忠が側にいることを期待したことは一度もなかった。

それに、結婚前日は一緒に住むことができないと聞いていた。

北村忠は少し速度を上げて運転した。

車を駐車場に停め、道明寺華の荷物を全て家の中に運び入れた後、すぐに立ち去った。

道明寺華は北村忠の急ぎ足を見つめていた。

その時、家政婦は我慢できずに言った。「若様はこの結婚式に本当に関心がないようですね。」

道明寺華は視線を戻した。

家政婦は言った後で失言に気づいたが、ここ数日の若様の態度に感じるところがあって思わず口に出してしまった。

すぐに言い直した。「若様は忙しいのかもしれません。若様はこの時期仕事で素晴らしい成果を上げていると聞きました。ニュースでも見ましたし...」

道明寺華は全く気にしていなかった。

実際、北村忠が関心を持っているかどうかは感じ取れていた。