第420章 改頭換面、やるからにはやり遂げる(1更)

「何を恐れているんだ?」北村忠は一言一言はっきりと井上明に尋ねた。

「ビジネスの世界を子供の遊びだと思っているのか?ただの脅しで私を感情的にさせられると思っているのか?北村忠、おとなしくしていることをお勧めする。少しは自分のことを知って、余計な事を探さないほうがいい」

「井上部長、私が何かするのをそんなに恐れているんですか?やっと手に入れた北村系が私の手に戻ることを恐れているんですね……」

「北村忠、何を言い出すんだ!」井上明は突然席から立ち上がり、怒りを露わにした。

「北村系は我が北村家の事業だ。たとえあなたの母親が北村姓だとしても、あなたは井上姓だ。結局のところ、あなたは部外者だ。もちろん、北村系を手に入れるために恩を仇で返して改名することもあり得るが、少なくとも今のところ、あなたは部外者だ。部外者が我が北村系をこのように占拠するのは、少し……道義に反するとは思わないのか?」

「よく聞け、私が占拠したいわけではない。全ての取締役が私を支持しているんだ。お前に能力がないからだ!北村系は北村家の事業だが、利益を生む事業でもある。利益を生む事業なのに、なぜお前のような者に任せて損失を出させなければならないんだ?!それで北村系の株主全員に、北村系の従業員全員に申し訳が立つのか?」

「そんなに正義ぶって、結局は私に北村系で何もさせたくないだけ。わざと私の権限を空洞化しているだけだ」

井上明の顔に怒りが明らかに見えた。

この放蕩息子め、何でも表に出して言えると思っているのか。

北村雅でさえ体面を考えてこんなに無遠慮な物言いはしないのに、この北村忠は、今や何の取り柄もない身だからこそ好き勝手に暴れられると思っているのか?!

そして彼がこのように北村忠と言い争うのは、自分の品位を下げることになる。

彼は冷たい声で言った。「お前には能力がないんだ。他人が信用しないのも当然だろう」

「何もしていないのに能力がないと言われる。井上部長、あなたの言葉は矛盾していると思いませんか?」

「私がいつ矛盾したことを言った?お前に能力がないのは周知の事実だ……」

「もういい、今日は喧嘩をしに来たわけじゃない」北村忠は淡々と言った。

井上明は目を丸くして怒った。

まるで自分が野蛮人であるかのように言うのか?

この放蕩息子は、本当にこんなに愚かなのか?