第452章 井上明を謀り、北村英親子を公衆の面前で打ち負かす(6更)

取締役会議室。

現場が突然静まり返った。

最初は北村忠を非難する声が飛び交っていたのに、突然場内が静かになった。

井上明は得意げな表情で、取締役会メンバーの北村忠への罵倒を楽しんでいたが、この瞬間、突然このような場面が展開された。

この時、北村英もいた。

彼女は普段めったに取締役会に参加しないが、今日はわざわざ北村忠の窮地を見に来た。彼がどのように体面を失うか見に来たのだ。最初は気分爽快だったのに、この瞬間、突然呆然となった。

「人違いじゃないのか!」井上明は冷静を装い、動揺を見せなかったが、顔色は悪かった。

「間違いありません。井上明、北村系執行部長、不正な手段を用いて『天の堂』番組の生放送を妨害し、北村系に経済的・名誉的損失をもたらした件で、調査にご協力いただきたい」職員は正々堂々と、非常に厳しい口調で言った。

井上明は突然席から立ち上がり、職員に向かって言った。「何を言っているんだ!番組が放送できなかったことと、俺に何の関係がある!」

「言葉遣いにご注意ください。公務員への侮辱も法律違反です」

「お前が誰であろうと、公務員だろうと関係ない。証拠もないのに、絶対についていくものか!」井上明は冷たく言い放った。「少しの権限があるからって好き勝手できると思うな。俺は誰でもついていくような人間じゃない!」

規律検査員が口を開こうとした時。

北村忠が近づいて、口を開いた。「証拠が欲しいんだな。本来なら、こんなに多くの支持者である先輩方の前で、あまりにも面目を失わないように配慮するつもりだったが、どうやらそれを望んでいないようだな。構わない、証拠を見せてやろう」

井上明は北村忠を睨みつけた。

北村忠は振り向いて、さっそうと加賀玲奈に指示した。「私の携帯をプロジェクターに接続して」

加賀玲奈は急いで接続した。

何か大きな出来事が起こりそうな予感がした。

彼女は興奮を抑えきれなかった。

これは面目丸つぶれ、完全に打ちのめされる展開なのか?

北村忠の携帯が会議室の大きなスクリーンに接続され、北村忠は再生ボタンを押した。

そこに一つの場面が映し出された。