第522章 華が北村忠に世話を頼む(2番目)

静かな病室の中。

道明寺華は虎をじっと見つめ、加賀さんも付き添っていたが、年齢のせいか、付き添いながらそのまま横で眠りについてしまった。

昨夜もほとんど虎のために一睡もしていなかった。

北村忠と冬木心は反対側に座り、同じように静かに虎に付き添っていた。

時々、耳式体温計で虎の体温を測っていた。

そうやって何度も繰り返していた。

道明寺華の電話が鳴った。

着信を見た瞬間、彼女の表情に苦悩の色が浮かんだ。

電話に出る。「Joe」

北村忠は道明寺華を一瞥した後、すぐに視線を虎に戻した。

冬木心も同じように道明寺華を見た。

道明寺華は電話を続けた。「うん、少し良くなったわ。体温は38度6分まで下がって、医師は39度を超えなければ問題ないって」

「そう、それは良かった。じゃあ、今は帰ってきたの?」