第560章 華よ、もう一度一緒になりたい(3番目)

「でも、私の二の舞は踏んでほしくないの」広橋香織は真剣に道明寺華に言った。

道明寺華は微笑んで、「うん、分かってる」

彼女は広橋香織が何を言おうとしているのか分かっていた。

彼女と北村忠は...本当に無理なのだ。

「でも...」広橋香織は言いかけた言葉を飲み込んだ。

でも。

やはり彼女に戻ってきてほしい。

やはり彼女に息子の嫁になってほしい。

道明寺華は広橋香織を見つめた。

彼女の言いよどむ様子を見つめた。

広橋香織は笑って、「なんでもない」

北村忠が失くしたのは当然だわ。

道明寺華もそれ以上は聞かなかった。

北村雅は広橋香織のそばで忙しく立ち回り、自分でできることは絶対に人任せにしなかった。

まさに模範的な夫という感じだった。

道明寺華は病院で広橋香織に付き添い、虎と遊び、普通は一日中そこにいた。