第570章 この人生、冬木空を裏切ってはいけない(その1)

この男は一体誰なのか?!

清水紗佳は瞬きもせずに冬木空を見つめていた。

信じたくないのに、信じざるを得なかった!

冬木空は清水紗佳のさまざまな感情を見つめながら、こう言った。「この世界は不思議なもので、科学では説明できないことがたくさんある。例えば……人は死んでも魂は残る!」

「信じない!」清水紗佳は激しく興奮した。

これは彼女の年齢になってようやく経験する、稀有な感情だった。

長年の間、彼女はどんな事態にも動じない態度を身につけていた。

しかし今、本当に心が揺さぶられていた。

「信じるか信じないかは重要ではない。重要なのは、私たちも決着をつけるべき時が来たということだ」と冬木空は言った。

彼の冷静さ、内に秘めた落ち着きは、20代では到底身につけられないもので、本当に歳月の積み重ねが必要なものだった!