番外012 相変わらず女性にモテる(2更)

暗闇の中。

村上紀文は柳田茜を見つめていた。

柳田茜は慌てて説明した。「わざとここで待っていたわけじゃないの。友達とカラオケに来ていて、今終わったところで、たまたまあなたを見かけただけ」

村上紀文は彼女の嘘を指摘しなかった。

だって、もう仕事は終わっているのに、カラオケが今終わったはずがない。

「夜食でも食べない?」と彼は言った。

柳田茜は有頂天になった。

冷静を装おうとしたが、それでも心臓は激しく鼓動していた。「ちょうどお腹が空いていたの」と彼女は言った。

「何か美味しいものある?」と村上紀文は尋ねた。「おすすめを教えてくれない?」

「あるわ。すぐ近くに24時間営業の黒糖タンユエンのお店があって、私すごく好きなの。あなたも気に入るかしら?」

「食べてみれば分かるさ」