村上紀文は夕食を作り終え、食卓に置いた。
斎藤咲子は近づき、村上紀文と向かい合って座った。
二人の食事は非常に静かだった。
村上紀文は進んで斎藤咲子におかずを取ってあげ、斎藤咲子は確かに好き嫌いがなく、村上紀文が彼女の茶碗に入れたおかずは全て食べた。
二人は夕食後、一緒にリビングでしばらくテレビを見る。
主にバラエティ番組を見て、斎藤咲子は時々番組のコメディ効果に笑うことがあるが、村上紀文はほとんど笑わない。ただ、斎藤咲子が小さかった頃は、彼の口角が思わず上がることがあった。
夜10時になると。
斎藤咲子はお風呂に入って寝る。
村上紀文は彼女のために着替えを用意し、お風呂のお湯を張っておく。
時には彼女と一緒に入ることもある。
斎藤咲子は実際、二人がこんなに率直に向き合うことにあまり慣れていないが、止めることもできないようだ。