離婚届

「お母さん、会いたいよ」私は囁きながら、お母さんの墓の前にひざまずき、お気に入りのバラの花束を墓石の上に置いた。墓石に刻まれた金色の文字を見つめながら、喉に込み上げてくる塊を飲み込んだ。

今でも、お母さんがいなくなったなんて信じられない。お母さんのいない人生は、こんなにも違うものになってしまった。私は親友を失っただけでなく、私の世界そのものを失ってしまったのだ。

「お母さんがいなくなるのは嫌だけど、苦しむ姿を見るよりはましだわ」私は墓石に指を這わせながら語りかけた。お母さんの顔が思い浮かんだが、それは病院で最後に見た苦痛に満ちた表情ではなかった。代わりに、目を閉じると、穏やかな笑顔を浮かべたお母さんの姿が浮かんできた。

風が吹き過ぎ、バラの素晴らしい香りが鼻腔をくすぐった。その落ち着く香りで胸いっぱいにしようと、深く息を吸い込んだ。

お母さんの魂だけでもここにいて、私が持ってきた花を見てくれたらいいのに。きっと、お母さんの心と同じように純白のバラの花びらを喜んでくれるはず。もし神様が今日一つだけ願いを叶えてくれるなら、お母さんがここにいて、お気に入りの花の香りを嗅ぎ、その香りの思い出を来世への旅路に持っていけますように。

でも、たとえ神様が願いを叶えてくれなくても、お母さんが安全な場所にいることを知って安心している。痛みも、苦しみも、悲しみもない場所。お母さんのいるべき場所、それは主の愛の腕の中で、本当の幸せを感じられる場所なのだ。

「お父さん、お母さんのことを頼むわ」私は涙で曇る視界の中、隣の墓に向かって言った。「お父さんと一緒にいれば、きっと幸せよね」

風が吹き、地面の枯れ葉を舞い上げ、できるだけ遠くまで運んでは地面に落としていった。空からの雷鳴が静寂を破った。見上げると、灰色の雲が穏やかな朝の空を飲み込んでいた。

もうすぐ雨が降りそうだ。傘を持ってきていない。

私は地面から立ち上がり、スラックスについた土を払いながら、目の前の墓に向き直った。「もう行かなきゃ、お母さん、お父さん。二人のことはいつも心の中に、そして祈りの中にあるわ。愛してるわ」そう言って背を向け、涙を拭いながら草原を歩いていった。

墓地の門に近づいたとき、一人の男性が目に留まった。背中を向けていたが、どこか見覚えがある。その姿は私の夫―元夫のエースを思い出させた。