昨夜、私は彼のことをハンサムだと思った。
しかし、日の光の下で彼を見ると、「ハンサム」という言葉では物足りないことに愕然とした。ジーンズのポケットに左手を突っ込み、もう片方の手を背中に回して立っている目の前の男性は、まさに半神のような存在だった。
彼は上に青いTシャツ、下にブルーデニムを着ていた。着ている服は質素なものだったが、彼の持つ威厳と、どこへ行っても纏っているような威圧的なオーラを感じることができた。
昨夜見た彼の野性的で手つかずの髪は、暖かい蜂蜜色ではなかった。シャンデリアの淡い光のせいで、そんな色に見えたのかもしれない。今日見ると、彼の髪は驚くほど鮮やかなストロベリーブロンドで、濃い眉の下の瞳は魅惑的なエメラルドグリーン——これも私の勘違いだった。光の加減のせいだったに違いない。
一瞬、私は彼が私を見つめるのと同じような強い眼差しで彼を見つめていた。彼の目は皮肉めいた面白さで輝き、目尻が好奇心に満ちて上がっていて、あの鋭い眼差しの奥で何を考えているのか気になった。
マーカス・ピーターソンという方がいらっしゃいましたと使用人に告げられ、リビングルームに立っている彼を見たときの私の脈拍の急上昇を、ショックという言葉だけでは言い表せない。
ピーターソンという名前の知人がいた覚えはなかったが、なぜ私を訪ねてきたのか気になって仕方がなかった。階段を降りていくと、彼はヴィクトリア様式の白いソファに座っていた。そして私を見るとすぐに立ち上がり、途中まで迎えに来てくれた。
私の目に認識の光が走った。確かに昨夜一緒に踊った男性だった。「また会いましょう」と言っていたのを思い出した。まさか本気だったとは思わなかった。今は誰とも付き合う気分ではなかった。
「お会いできて驚きです、あの、ピーターソンさん」私は、男性の訪問客をどう迎えるべきか迷いながら、気まずい笑顔で不安な沈黙を破った。
「マーカスと呼んでください」彼は、女性の膝をゼリーのように震えさせるようなセクシーで官能的な声で答えた。でも私には効かない。私は彼のようなハンサムな男性にはアレルギーがあるのだ。