ハッピアー

彼女は決して

打ちのめされたようには見えなかった。

私にとって彼女は、

息を呑むような美しさの

モザイクだった

彼女が勝ち取った戦いの。

-マット・ベーカー-

***

驚いた、というより驚愕という言葉でさえ控えめな表現だった。想像を絶するほどの衝撃を受けた。

その出来事はあまりにも非現実的で、最初は自分自身で否定した。ただフェニックスが恋しくて、階段を降りてくる美女を彼女だと想像しているだけなのだろう。きっとこれは全て夢なのだ。すぐに目が覚めれば、薄暗いコテージでランプの明かりだけに囲まれて一人きりになるはずだ。

ウェイターが通り過ぎる際、トレイから赤ワインをもう一杯取った。手が震えていることに気づき、血のように赤い液体を着ている白いTシャツの前に零すところだった。

一気に飲み干すと、喉が焼けるような感覚があり、その心地よい感覚が胃の底に広がるにつれて、体がゆっくりとリラックスしていった。勇気を振り絞って、ついに階段の下に到着した女性—いや、女王—に視線を向けた。彼女の周りには、彼女の注目を集めようと熱心な男性たちが十数人いたが、彼女は自分の思考に没頭しすぎて、彼らに一瞥もくれなかった。

気がつくと、私はバーカウンターのある大広間の薄暗い場所へと歩いていた。その場所に着いてバースツールに座るまで、彼女から一度も目を離さず、彼女の滑らかで魅惑的な動きに魅了されながら見つめ続けた。

これは間違いに違いない、彼女であるはずがない。密集した群衆の中をダンスフロアへと優雅に進んでいく気品ある女王は、私の元妻ではないはずだ。彼女はクロフォード商業チェーンの相続人、ベアトリクス・クロフォードだ。これは睡眠不足による私の暴走した想像力のせいに違いない。

バーテンダーがグラスを満たしてくれた。鋭い関心を持って、その場にいる全ての人々の顎を落とさせた魅力的な美女を、私は揺るぎない視線で見続けた。

震える指でグラスを口元に運ぼうとした瞬間、まるで私の視線を感じたかのように、彼女が無意識に私の方向を向いた。私は慌てて中身の半分を吹き出してしまい、着ていた白いTシャツを染めてしまった。