古い傷跡

全ての傷から

傷跡が残り、

全ての傷跡には

物語がある。

その物語は語る、

「私は生き残った」と。

***

「誰もあなたを傷つけさせない、エース。私がここにいるから」

彼の強張った肩がゆっくりと緩んでいった。長く美しいまつ毛が目の下に影を落としながら、彼は目を閉じた。苦しそうだった呼吸が、彼がリラックスし始めるにつれて落ち着いていった。

「そうよ。目を閉じて眠りに落ちて。目が覚めたら気分も良くなるわ」

私は彼のこめかみに優しくキスをし、彼のため息を聞いた。私は彼の髪を撫でながら、胸の上下する様子を見守った。

彼は多くを経験してきた。それは確かだ。彼はいつも強い面を見せる。私にさえ、一度も弱さを見せることを許さなかった。でも今は、まるで開かれた本のよう。彼は泣きさえした。

きっと大きな痛みを抱えているのだろう。彼の幼少期は極めて辛いものだった。子供の頃に何があったのか、彼は私に話してくれないけれど、継母をどれほど嫌っているかを見れば、不当な扱いを受けていたことは想像できる。おそらく継母は彼を身体的に傷つけていたのだろう。

私を救うために負った大きな傷跡の他に、彼の背中には傷跡が散らばっていた。数え切れないほどの傷。棒か鞭で激しく打たれた結果だ。今では鳳凰の刺青で隠されているけれど、まだそこにある。さっき服を着替えさせた時、指先で傷跡を感じた。

小さな少年だったエースが虐待され、傷つけられていたと考えるだけで恐ろしくなる。不当な仕打ちに叫び声を上げたくなる。彼はそんな目に遭う必要なんてなかった。特に子供が、そんな極度の苦痛を味わう必要なんてない。

トラウマとなった幼少期が、彼の冷たく感情のない性格の原因なのだろう。もし以前に希望を感じていたとしても、継母の鋭い舌と鉄の手で夢を打ち砕かれた時に、それらは失われてしまったのかもしれない。

しばらくの間、私は彼を見守り続けた。もし彼の痛みの一部でも分け合うことができるなら、彼が全ての重荷を一人で背負う必要がないように、私はそうしたいと思う。

世間は彼を強く、勇敢で、賢明な人物として見ている。でも誰も表面の下にある本当の彼を見ていない。人々が見ているのは、彼が見せたい姿だけで、それは本当の彼ではない。本当のエースは傷ついた男性だ。欲深い女性によって真実の愛の幻想を壊された人物なのだ。