もう7時を過ぎていた。静かな夜空には無数の輝く星が散りばめられていた。オレンジ色の月は大きく、地平線に誇らしげに立ち、明るく輝いていた。恋人たちが忍び出て、絵のように美しい星空を眺めるのに最適な夜だった。でも私はバルコニーで、手の届きそうな美しい景色を眺めてはいなかった。星空を見る気分ではなかった。
エースはまだ戻っていなくて、私は彼のことが心配でたまらなかった。先ほど電話をかけてみたけれど、誰も出なかった。そしてエリサが、彼が居間のガラステーブルの上に携帯を置き忘れていることを発見した。予期せぬ訪問者と出かける時、急いでいたのかもしれない。持っていくことを忘れてしまったのだろう。
私は胸の下で腕を組んで、バルコニーの上を行ったり来たりしていた。時間が経つにつれて、不安は深まるばかり。途中で何か起きたのではないか?その考えに身震いした。お願いです、様、そんなことになりませんように、と私は祈った。