クロフォード邸のあるコルドバまでの4時間の帰路は、いつもより長く感じられた。
私は座席に座り、気分を上げようとテイラー・スウィフトの曲をイヤホンで大音量で聴いていた。でも、選んだ曲が間違っていたのか、言葉では表現できない憂鬱の海に漂っているような気分になってしまった。気分が良くなるはずが、逆に胸が重くなってしまった。最後の曲を聴き終えてから、iPodの電源を切ることにした。
深いため息が漏れ、窓の外に目を向けると、まるで画家が描いたかのような息をのむような美しい空が広がっていた。残念ながら、その景色は美しかったものの、私の気持ちを晴れやかにすることはできなかった。
今の私を元気づけられるのは、エースの命が危険な状態を脱したという知らせだけだと、二度目のため息をつきながら自分に言い聞かせた。
「お食事の準備ができました、奥様」客室乗務員が声をかけ、私は膨らんでいた思考から我に返った。彼女がそこにいたことに気づかなかった。考え事に没頭しすぎて、近づいてくる足音さえ聞こえていなかったのだろう。
通路に置かれた食事カートに目を向けると、魅惑的な食事の香りが漂ってきた。空腹は感じていなかったが、体力を回復するために食べる必要があることはわかっていたので、うなずいて食事を出してもらうことにした。
客室乗務員は機内全体を明るくするほど輝かしい笑顔を見せ、優雅に私の前のテーブルに食事を並べ始めた。
彼女が終わると、お礼を言って笑顔を返した。作り笑顔だったとしても、少なくとも笑顔は返せた。彼女は食事カートを通路の反対側、クレアとアレクサンダーが座っている席に移動させ、朝食の配膳を始めた。
テーブルの上の食事に注意を戻すと、すべてが美味しそうで魅力的に見えたが、スプーンで口に運んでも味わうことができなかった。
味がよくわからなくても食べ続けた。ふと目がお父様とクレアに向くと、二人は心から楽しそうに朝食を食べていた。私は再び食事に注意を向け、体に必要な栄養を取るために食べ続けた。
時間が経ち、驚くことに私の前の皿は空になっていた。空腹でない人にしては少し食べすぎたかもしれない。おそらく数日間何も食べていなかったからだろう。
クレアとお父様も食事を終え、私たちに食事を配膳した客室乗務員が戻ってきてテーブルを片付けに来た。