帰宅

エースが去っていくのを見送るのは、言葉では言い表せないほど辛かった。彼が去った瞬間、私の一部を持っていってしまったように感じる。彼がいない今、私の人生は二度と同じではないだろう。

プライベートジェットが飛び立った後、私は病室に留まった。その時、私が望んでいたのは一人きりで過ごし、プライバシーを保つことだけだった。クレアとお父様は思いやりがあり、それを理解してくれた。彼らは私を部屋まで送り届けた後、おやすみのキスをして去っていった。

ドアが閉まった瞬間、深いため息が私の唇から漏れた。胸はまだ重く、今にも再び泣き出しそうな気がする。これまで流した涙の量からすると、間違いなく涙を流し続けて脱水症状を起こすだろう。

でも、私が泣くのも無理はない。愛する人が命の危機に瀕していて、生き延びられるかどうかも分からないのだから。ネガティブに聞こえるつもりはないけれど、最悪の事態を考えずにはいられない。もしそうなった時のために、心の準備をしておきたい。

リモコンに手を伸ばし、天井の明かりを消した。そして手の届く範囲にあるスタンドに注意を向け、部屋を照らすためにそれをつけた。その後、背中の枕の山に寄りかかった。

快適な体勢が整うと、目を閉じ、心を込めた祈りを唱え始めた。自然と、感情のすべてを祈りに込めながら、再び涙がゆっくりと目から流れ落ちた。

その時の私の祈りは、ただエースの安全だけ。私のことを覚えていなくても、彼が無事でいてくれさえすれば、それでいい。

祈りながら、涙は止めどなく頬を伝い落ちる。

おそらく疲れ果て、感情的に消耗していたのだろう。祈りを終えるとすぐに、深い眠りに落ちていった。

***

翌日、私は退院した。檻の中に閉じ込められているような気分にさせられた部屋から、やっと解放されることに喜びを感じるべきなのに、気分は良くならなかった。

まだ内側は空虚で不安に満ちている。エースの容態が安定するまでは、私は大丈夫にはなれない。

お父様に手伝ってもらいながら車に乗り込む前に、病院の白い外観を最後にもう一度見つめた。柔らかいクッションのシートに座り、少し震える足を伸ばすと、ほっとため息が漏れた。

左側のドアが静かに閉まり、右側のドアが開いた。クレアがゆっくりと車に乗り込み、私の隣の席に座ってからドアを閉めた。