1時間後、ついに会話は終わりを迎え、その時には仮面舞踏会に関するすべてが決まっていた。クレアは些細な詳細まで全て話し合われたことを確認した。彼女はパーティーを大成功させようと決意しており、私は彼女が最善を尽くしている様子を目の当たりにした。私は彼女のそんな姿勢に深く感謝していた。
クレアは満足げに溶岩ケーキを食べていた。サファイアのような瞳に不思議な輝きが宿っていた。
「私たちの計画の結果が待ちきれないわ」素晴らしいデザートを食べ終わった時、アリアーヌが椅子からゆっくりと立ち上がりながら言った。私とクレアも席を立ち、彼女と握手を交わした。
「アリアーヌと私で、今年のあなたの誕生日が人生で最も思い出に残る日になるよう、必ず実現させるわ」クレアは声を上げ、彼女の目の中の輝きはより一層明るく燃え上がった。私はその理由が気になったが、質問は胸の内に留めておいた。
クレアがアリアーヌと会話を続けながら、私たちはドアに向かって歩いた。制服を着たスタッフがドアを開けてくれ、私たちは感謝を述べて駐車場へと向かった。
別れの挨拶を交わした後、アリアーヌは運転席に乗り込みエンジンをかけた。彼女は急いでいた。フローリストとケータリングサービスの経営者がパーティーの詳細を最終確認するために、彼女との打ち合わせを希望していたのだ。
私たちは彼女の車が見えなくなるまで見送ってから、自分たちの車へと向かった。
私はクレアが座っている運転席の隣に身を沈めた。彼女が運転することになっていた。
エンジンが轟音を立てて始動した。
車が穏やかな午後の空の下をスムーズに走り出すと、クレアはパーティーについて、そして私が神秘的な緋色のドレスを着て階段を降りてくる姿を見るのが待ちきれないと話し始めた。
私は彼女の疲れを知らない熱意のこもった口調に注意深く耳を傾けた。彼女が面白いことを言うたびに、思わず優しく微笑んでしまう。クレアと一緒にいると、まるで母親と親友が同時にいるような気分だった。
「あなた、随分と静かね。嬉しくないの?」彼女は私に横目をくれながら尋ね、すぐに道路に注意を戻した。
突然の質問に私は驚いた。返事をするまでに数秒かかった。「嬉しいわ、クレア。ただ、エースがとても恋しくて、誕生日を一緒に祝えたらいいのにって思って」私は溜息をついた。