しかし、彼女の言葉は江口侑樹の動きを止めることはなく、むしろ彼に手首を掴まれ、頭上に押し付けられた。
服を通してでさえ、男の体がますます熱くなっていくのを感じ、吐く息さえも熱かった。
彼女の心臓は止まらないほど早く鼓動し、必死にもがいたが、江口侑樹をびくともさせることはできず、むしろもがけばもがくほど、体の熱さは増していき、全身が燃え上がりそうだった。
園田円香は分かっていた。このままでは、江口侑樹どころか、自分自身も抑えが効かなくなってしまう……
彼女は唾を二度飲み込み、深く考えずに口を開いた。「江口さん、今辛いのは分かります。もし……もし本当に必要なら、あなたは……」
江口侑樹は彼女が何を言おうとしているのか分かっているかのように、言葉を最後まで言わせる前に、指で彼女の顎を掴んだ。
次の瞬間、彼は激しく唇を押し付けてきた。全てを飲み込むような激しさで。
キスというよりも、罰のようだった!
園田円香は思わず呻き声を上げた。彼が荒々しくなると、あの夜の暴力的な記憶が勝手に蘇り、彼女の顔は一瞬で青ざめた。
瞳孔が収縮し、体も無意識に震え始めた。
江口侑樹は彼女の感情の変化に気付き、動きが一瞬硬くなり、少し顔を上げて園田円香の黒い瞳を見つめた。
そこには隠しようのない恐怖と抵抗があった。
園田円香も江口侑樹の前でこんな弱い面を見せたくなかったが、恐怖は風邪のように、完全に隠すことは難しく、唇を強く噛みながら目を逸らすしかなかった。
江口侑樹がしたいことを、彼女には止められなかった。
約30秒後、男の指が動き、園田円香の顔を正面に向け直し、彼は再び顔を下げて彼女の唇に重ねた。
園田円香の心は真っ逆さまに沈んでいった……やっぱり……彼は自分のしたいことをするだけで、彼女の気持ちなんて気にしないんだ……
しかし、すぐに何かが違うことに気付き始めた。
江口侑樹のキスは先ほどのような乱暴さはなく、前回のような純粋な発散でもなかった。今回は、とても軽く、優しく、まるで非常に大切な人を扱うかのようだった。
このようなキスは、園田円香にとって見知らぬようで懐かしかった。
初めてのキスの時も、江口侑樹はこのように慎重で、一歩一歩探るように、動きは限りなく優しく、思わず魅了されてしまい、ふらふらとした気分になった。