第189章 和解

園田円香は眉を少し上げた。また何かが起こったのだろうか?

彼女は布団にくるまりながら起き上がり、ベッドの頭に寄りかかって、快適な姿勢を整えてから、指先でSNSを開いた。

未読のダイレクトメッセージは、また999+という赤い文字で表示されていた。

どうやら自分に関係する事態のようだ……

園田円香は慣れた様子でトレンドランキングを直接開いた。案の定、上位のトレンドは全て彼女に関連するものだった。

#坂本波謝罪#、#さくらテレビ公告#、#園田円香こそチャンピオン#、#人命救助した配信者は園田円香#……

彼女は一番目のトレンドをタップした。最も注目を集めているのは坂本波自身が最新に投稿した動画だった。

動画の中で、彼は座っており、非常に疲れた様子で、一晩中眠っていないような顔つきで、髭も伸びていた。

彼は低い声で、目を伏せながら、一言一言丁寧に語った。「まず、私を信頼し、支持してくださった視聴者の皆様に謝罪申し上げます。私の業務上の過失と個人的な判断により、事態がここまで発展してしまいました。真実を隠蔽したことは、全て私個人の決定であり、他の方々は無関係です。私が間違っていました。皆様を裏切り、特に局の育成と信頼を裏切り、そして園田円香さんに対して申し訳ありませんでした。改めて、彼女に心からお詫び申し上げます。」

そう言って、彼は立ち上がり、カメラに向かって90度の深々とした礼をした。

その後、彼はカメラに向かって続けた。「今回の件については、私が全ての責任を取ります。引責辞任し、しっかりと反省いたします。今後はこの教訓を活かし、誠実に生きていく所存です。ありがとうございました。」

動画はそこで終わった。

園田円香はさくらテレビの公告を開いた。そこにも公式な言葉で状況が説明されており、責任は全て坂本波にあるとされていた。

昨日のSNSでは坂本波と安藤吉実の両方が非難されていたが、今日は一転して坂本波だけが批判の的となり、安藤吉実は上手く姿を消していた。

園田円香は読み終えて、何と言えばいいのか分からなかった。

坂本波は安藤吉実をかなり庇っていた。全ての責任を一人で背負い、安藤吉実は軽く済んでしまった。

坂本波は他人のために自己犠牲を払うタイプには見えなかった。安藤吉実自身に後ろ盾があるのか、それとも…誰かが彼女を守っているのだろうか?