第242章 刑務所に入れ!

園田円香の眉間が、軽く寄った。

安藤吉実は園田円香の視線の先を追うと、誰かがいることに気づいた。その人物の顔を見ると、なんと後藤淑子だった。

他の一般社員なら、面倒に巻き込まれたくない、あるいは園田円香と対立したくないと思い、彼女の側に立って園田円香を告発しようとはしないかもしれない。

しかし後藤淑子は違う。

彼女は付き合いにくく、厳格な性格だが、悪を憎み正義を重んじることでも有名で、公平な人物だ。園田円香がこのように暴力を振るうのを目撃したからには、黙っているはずがない!

園田円香、刑務所行きを覚悟しなさい!

安藤吉実は救いの藁をつかむように、涙をポロポロと流しながら、後藤淑子に期待を込めて懇願した。「後藤先生……さっき、園田円香が一方的に私を殴っているのを見ましたよね?私は今、体中が痛くて傷だらけなんです。病院に連れて行ってもらえませんか?それと、警察にも通報してください!」

後藤淑子が警察に通報すれば、自然と証人になる。そうすれば園田円香を罪に陥れるのは簡単になる。

もう逃げられないわ!

後藤淑子はまず安藤吉実に視線を向け、上から下まで観察して、その惨状を目に焼き付けた。

そして、視線を園田円香に移した。

園田円香は最初に彼女を見たとき、少し動揺した様子だったが、今ここに立って彼女と向き合っているときは、とても落ち着いていた。

後藤淑子は面白いと思い、口元を歪めて尋ねた。「怖くないの?」

後藤淑子の最初の言葉がこれだとは予想外だった。

怖いかどうかと言えば、園田円香は後藤淑子を見た瞬間、確かに少し慌てた。

でもすぐに落ち着きを取り戻した。

今日、安藤吉実をボコボコにしたことを、彼女は少しも後悔していない。むしろ気持ちよかった。

暴力で問題を解決するのは間違っているとわかっているが、このような小人を相手にする場合、これが一番シンプルで直接的で、最も気が晴れる方法だった。

園田円香は微笑んで言った。「後悔はしていません。」

もう一度チャンスがあれば、もっと強く殴るわ!

後藤淑子は彼女を数秒じっと見つめた後、口を開いた。「さっきの件は……私は何も見ていない。」

この言葉に、園田円香は少し驚いた。